第18章 約束は早くしたもん勝ち
翌日、私は食堂にて1人遅まきの朝食を食べていた
それにしても杏子ちゃんの好きな人が山崎さんだったなんて…。
『意外過ぎる…』
そう呟いて目の前の味噌汁を啜る
こういうの知って…私はどうしたらいいんだろう。
別に杏子ちゃんからはその後何もないし特に何もする必要はないってことなのかな。
杏子ちゃんの恋は確かに応援してあげたいけど、山崎さんの気持ちもわからないし…あ、でも彼女いるとは聞いたことないなぁ…。
ていうか山崎さんとそんな話すらしたことないか…。
…まずそもそもウチって恋愛ありなんだっけ…?
「あ、遅よう結衣ちゃん」
「…また一人飯かィ?」
突然声をかけられ振り向くと肩にタオルを掛けた袴姿の沖田隊長と山崎さんの姿があった
よく見ると2人の頬には汗と思われる水滴がついていて、恐らく朝の素振り稽古が終わったのだろうことがわかる。
『てか" また "ってなんですか!人を寝坊魔みたいに言わないで下さい。朝起きて来たらもう誰もいなかったんですよ』
「いや自業自得だろィ」
「ていうかもう昼過ぎだよ」
言いながら呆れたように私を見る沖田隊長と山崎さん
2人は私の両隣に座ると水を口に含み、溜息をついた
「そう言えば今日は倉本さんと最初の見回りなんだってね」
『はい!私…実は人に何か教えるのってあまり得意じゃないんですけど、杏子ちゃんは私の初めての後輩ですし何だか少し楽しみなんです!』
そう言って笑うと山崎さんもニッコリと微笑み返してくれた
…あ!そうだせっかく山崎さんがいるんだから思い切って聞いてみようかな…。
私は勢い良く席を立ち、山崎さんに前のめりになった
『あのッ山崎さん!っす…好きな人はいますか!?』
「え…?」
突飛な発言に山崎さんもその場にいた沖田隊長も目を丸くして固まった
『…あれ?』
私…何かを間違ってるような気がする。
「えっと…」
少し俯き気味に頬を赤くする山崎さん
「お…俺は」
『…』
「…」
「オイ、んなとこで何やってんだお前ら」
『「!」』