第17章 新しい事を始める前に古いものは片付けろ
『ただいま戻りました!』
「おー…」
屯所に帰り土方さんに報告すると、土方さんは目線を私の腰に差した刀に向けた
「見つかったのか…」
『はい、山崎さんに付き合っていただきました』
ねっ!と山崎さんの方を向くと彼は私から顔を逸らした
「あ?なんだ山崎、その顔」
「や…な、何でもないです!!」
『あ、そう言えば沖田隊長と杏子ちゃんは?』
私の言葉に土方さんは煙草を噴かし報告書に目を落とす
「知らん、あ…けどそういや見てねェな。確か…屯所の案内が終わって倉本が総悟に話があるとか言ってた気もするが…部屋にいんじゃねーか?」
『部屋って…沖田隊長の?』
「?そりゃそうだろ…。倉本がいるかは知らねーけど」
沖田隊長と杏子ちゃんが…
隊長の部屋に…2人で…
『ッ!』
「結衣ちゃん?」
勢いよく立ち上がる私を山崎さんと土方さんは目を丸くして見つめる
『失礼します!』
そう言って土方さんに会釈し私は急いで部屋を後にした