第17章 新しい事を始める前に古いものは片付けろ
言った瞬間ハッとして顔を真っ赤にする山崎さん
「あ、いや別にあの今のはえっと…ッ!」
『山崎さん…』
「は、はィイ!?」
私は山崎さんの方を向き目を細めた
「…ッ!!」
『…刀。』
「…へ?」
私の目線は山崎さんの後ろにある鍛冶屋に向けられていた
山崎さんは鍛冶屋を見つめる私にガクッと肩を落とした
そう言えば…土方さんに新しい刀探して来いって言われてたな。
『山崎さん、新しい刀見つけるの…付き合ってもらってもいいですか?』
そう言って微笑む私に山崎さんも同じように微笑む
「…うん!」
それから夕方頃まで山崎さんに付き合ってもらったおかげで私は自分に合った刀を見つけることが出来た
『ありがとうございます、山崎さん』
「うん、いい刀が見つかって良かったね」
山崎さんに言われ、腰に差した刀を手に取り見つめる
この刀はまた人を斬り、血に濡れていくだろう。
だけど大切な人を護る為なら私はこの身が血に濡れることも構わない。
それが侍であり、女である私の覚悟。
『山崎さん…』
「?」
『ありがとうございます』
「あぁ全然いいよ。見回りついでだったし…」
『…私も山崎さんのこと好きですよ』
「…えっ」
目を丸くして固まる山崎さんに微笑み、屯所への道を歩く
「え…え、 え!?」