【ヒロアカ】暴走する、疾風と雷のジャンクフード【上鳴電気】
第3章 幸せな非日常が交差する
「ごめんなさい!僕、かっちゃ…誰かの個性に巻き込まれちゃったみたいで」
「気にしなくてもイイッスよ!結果的に遅刻せずに済んだしプラマイマイッス!」
思い切り門に突っ込む前に飛んできた男の子の下敷きになってしまった時は正直痛かった、物凄く痛かった。
でもってこんなに平謝りされて許さないのもどうかと思うッスから。それにこの子は何だか幸薄そうな感じがする、というかきっと悪い子ではないと思う。憶測だけど。
そんな事を考えている間に罪悪感からかさらにしゅんとしてしまっている男の子を見て、慌てて話の流れを変えようと俺はひとつ気になっていた事について聞こうとする。
「そうだ。キミの名前ってなんて言うんスか?ここにいるってコトは、雄英高校の試験を受けに来たんスよね?」
「あ、えぇっと。僕の名前は緑谷出久だよ。特に目立った特徴や長所はないけど、仲良くしてくれると嬉しいな。」
先ほどまでの出来事があったからか、どこか彼の表情や態度はよそよそしい。声は少し掠れていて、口をぎゅっと引き締め、頬をちょっぴりの涙が伝っている。まぁ、いきなり初対面の人相手にちょっとフランクが過ぎる態度を取るのもどうかと思うけれど。
にしても、さっきの発言からしてもやっぱり彼の自己評価は低そうだ。特に目立った特徴も長所もないだなんて、よほど自信を喪失するような出来事が起きないと言えないと思うし。
そうしてうんうんと頭をひねっている俺に対して何を思ったか、彼はその重たそうな口を開いて、うずうずと体を動かしつつある事を問いかけてくる。
「…あのさ。君ってどんな個性を持ってるのかな?なんとなく、見た目の印象で身体強化系かな?って思ったんだけど。」
「ン、あいや、俺は実はッスね、乗り物…とはいっても一種類の、バイクを召喚できる個性を持ってるんスよ。」
最後は少し歯切れが悪くなってしまったがそれは置いておくとして…その答えを聞いた時から、今度は彼がうんうんと悩ましげに何かについて深く考えているらしい。
それをじぃっと眺めているうち徐々に思考がまとまってきたのかいきなり彼はばっと顔を上げると、きらきらとしたまるで憧れのアイドルを見るファンのような目でこちらを見つめて尊敬の眼差しを向けてきて、