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【ヒロアカ】暴走する、疾風と雷のジャンクフード【上鳴電気】

第4章  スタートの警鐘はいつも突然に



 …おっと、そういえばしておかなきゃいけないコトがあった。
 俺が再びぱっちんと指をスナップを利かせ鳴らすと チカチカとまるで凶星が瞬くかのようにヘッドライトが光を放ち始める。…さァ、ショータイムと洒落込もうじゃないッスか。仮想とはいえ、憎むべきヴィランを模したヤツ。一匹残らず潰して投げてブッ壊してやるッスよ!

 「そこにいるのは先ほどの跳ね毛の君、高校生なのに免許も取らずバイクに乗るなどと…しかも試験の最中だというのにそんな華美な装飾を…!」
 「うるッさいなァ!勝てばイイんすよ!」
 「ヒーローというのは勝てばいいという単純なものではないぞ…」
 「もーっ、そんな細かいコトはイイじゃないッスか!あと、ちなみにこれは個性で出現させたモンなんスからね!…一緒に遊ぼうッスよ、真面目ちゃん。二人でどんくらい壊せるか勝負しよッス!」
 「…忠告はしたからな、…そして速さならば俺も自信がある!君に遅れを取ることは万が一にもありえない!」
 「おおー、意外とアツいパッションを持ってるんスね真面目ちゃんってば!」
 

 彼と不毛な速さ比べを続けている内、目前には既に仮想敵1Pが迫り此方に襲い掛からんとしていた。

 「襲う方なら得意ッスけど、お生憎様襲われる趣味はないもんでねっ、!」

 車体のギアを個性で強化しつつ、一段階、二段階とドンドン加速度を速めていく。クソ、これかなりしんどいッスね…。そしてハンドルを巧みに操りながら位置調整を行い、颯爽と仮想敵の胴体にと突っ込む!

 「この敵のポイントは頂いたッスよ、お先に失礼ッ!」
 「アッ待て君!まだ勝負は終わってないぞ!」
 「ダイジョブダイジョブ!毎日俺はウェルカムトゥザフィーバーッスから!」
 「ぐぬう、言ってることの意味が何一つ分からない…」

 頑丈な車体に思い切り衝突された仮想敵はピシピシと音を立てて崩れ去った。それも当然だろう、何を隠そうこのバイクは鋼鉄製。しかも俺の意思に応じて一瞬で様々な改造を施すコトのできる優秀な乗り物なのだ!例えば車体をトゲでイッパイにしたりとか、エンジン部分から炎が出せちゃったりとか!構造すらも自由自在!…いやまー、思ったより仮想敵が脆かったのもあるッスけどね。裸一貫突撃とか普通に考えたら危なすぎるし。
 
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