第4章 外伝 優しい理由
小春side
見てみろと一言言われて鏡を手に取る。
両側が編み込まれ高い位置で結ばれていて、紐は私の髪に合うような白いトンボ玉があしらわれているとても綺麗なものだった。
実弥「任務先で貰った物だァ。お前にやる」
『“いいんですか?”』
実弥「あァ」
『“ありがとうございます!とても嬉しいです!”』
私がそういうと、柱合会議でされたときみたいに頭を撫でられた。今度は髪を崩さないようにそっと撫でられる。
『“あの、どうしてこんなに優しくしてくださるんですか?”』
すると、不死川さんは私を撫でていた手をピタリと止めて黙り込んでしまった。
聞いてはいけなかったかもしれない。すぐに謝ろうと紙に書くよりも先に声が聞こえた。
実弥「……似てんだ。俺の家族に。」
悲しそうな声色でつぶやいた。
実弥「お前の行動とか笑い方とか。全部が似てた。懐かしいとも思った。
不思議と俺が守らなければいけないとも思った。」