第2章 唄柱
__________
_______________
_____________________
no-side
ここは山の中にひっそりと佇む小屋の中
仲良の良い兄妹2人がいた
『お兄ちゃん聞いて!』
零「ハル…どうしたんだい?(ニコッ」
『またお歌褒められたんだ!』
零「凄いじゃないか!ハルは昔から歌上手いもんな」
当時、小春の齢は15である。
兄は4つ上の零
2人の兄妹は3年前に親を亡くし、それ以来零が一人で小春の面倒を見ているのだ。
食料は十分に無く、ひと山越した所にある小さな村に巻を売りに行き、その際に得た金銭で少しずつ買っていた
売りに行く時はいつも2人で。
絶対に離れぬよう手を繋いでいた。
『あれ?……どうしよ、簪無くしちゃった…』
零「じゃあ兄ちゃんが取ってくるよ!」
『でも…もう夜だし……』
零「大丈夫、きっと家の近くだしすぐ戻ってくるよ
だからハルはいい子で待っててくれ」
『…気をつけてね?』
零「あぁ、」
その晩、零が帰ってくることはなかった。