第1章 目覚め
岡田刑事は両親に何かを話し引き上げていった。
「どうだ?痛くないか?
手術の後、二日間意識が戻らなくて心配したんだぞ
今日は和田君が看てくれると言うから一旦家に帰っていたんだ
和田君からも先生からも話しは聞いてるが、本当に分からないのか?」
父親だろう男性の問いに俺は黙ってうなずくしかなかった。
「直感的に両親と分かるんですが…
ごめん…
ところで俺はどんな事故にあったんですか?」
父親は困惑した表情を見せた。
「うーん、轢き逃げとしか聞いてないが、事件かもしれないらしい…
何があったのか分からないが、私達はおまえを信じてる
今は体を治すことに専念しろ」
俺は頷くだけだった。
(事件?どういうことだ?
俺の記憶に関わることなのか?)
そこにまた一人、病室に飛び込んできた。
「和也っ!」
その声に俺は何故か反応していた。
「うわぁごめんっ!」
(なんだ?この反応は?)
「和也!
あたしの事も忘れたとは言わさないわよっ!」
(何だ?何なんだコイツは!?)
「落ち着いて、薫ちゃん」
母親が止めなかったら飛びかかって来る勢いだ。