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Shadow Moon

第5章 これから…


退院の日、午前中だったが和田も来てくれて、忙しいはずの親父まで来てくれた。

「親父…、仕事はいいのかよ?」
「有休消化するにはちょうど良い理由だろ?」
親父はニヤッと口角を上げた。
「お前、これからどうするんだ?」
「いきなり何だよ」
親父の問いに答えられない自分がいた。
「ハンパな真似したら、ただじゃ済まないぞ」
「分かってるよ
誰の息子だと思ってんだ?」
親父はただ親指を立てて答えた。

これで俺の気持ちは固まった。
「ん?和也、何の話しだ?」
和田が首を傾げた。
「幸司にゃ関係ねぇよ」
「何だとぉ!?
もう一回入院させてやろうか?」
そこに薫が顔を出す。
「何の話し?」
「「か、薫!?…何でもねぇよ」」
俺と和田がハモった。
「あははっ、何ハモってんのよ」
薫が屈託のない笑顔を見せる。
俺達も一緒に笑った。


久しぶりの実家。
両親、薫、薫の母親、和田…。
みんなが揃った所で俺は意を決した。
「みんなに迷惑掛けてしまって、申し訳ございませんでした」
深く頭を下げた。
そして…。

「俺は決めたよ
…薫と結婚する」

両親と薫の母親は、ただ笑っていた。
和田は、俺と薫を何度も見返して絶句していた。
薫は顔を真っ赤に染め、大粒の涙を零した。
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