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Shadow Moon

第5章 これから…


夕方、おふくろと薫が一緒に入って来た。
「入口で一緒になったのよ」
何かおふくろが嬉しそうに見えた。

俺は事件が終わった事、退院出来る事を伝えた。
「良かった…」
おふくろは涙目になった。
「なんだよ、まだ治ってねぇじゃん」
薫が突っ掛かる。
「事件がなけりゃあ、とっくに退院して、通院治療なんだよ」
「退院しても、それで生活出来んのかよ」
「仕事はまだ無理だけど、家での生活なら問題ないさ」
今日の薫はやけに突っ掛かってくる。

「でも、おばさんに迷惑掛けるだろ…」
「まぁ…この手足だから世話は掛けるな」
俺はちょっと申し訳ない気持ちなった。
「なら…、あたしが面倒見てやるよ」
薫が身を乗り出す。
「お前が?
お前だって仕事があるだろ?」
「仕事?
あぁ…辞めたよ」
いともあっさり言ってのけた。
「はぁ!?何言ってんだ!?
あれはお前がやりたかった仕事だろ!?」
俺は声を荒げた。
「和也、薫ちゃんはね…」
「おばさん、私が言う!」
おふくろが何か言おうとしたのを薫が止めた。
「あぁ、確かにあの時はやりたかった仕事だけど今は違う
今は…、今は和也の傍にいたいの!」
薫は真っ赤な顔で、真っ直ぐ俺を見詰めていた。
「なっ…!」
こんな状況で告白されるとは思わなかった。
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