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Shadow Moon

第5章 これから…


余談だが、岡田刑事が上に掛け合い、港に巣くうバイク窃盗グループも逮捕した。
残念ながら、俺が探していた同僚のバイクはなかった。


「君の記憶は非常に役立ったよ
君の話しがなければ、ただの轢き逃げ事件になってたかも知れないし、外国人グループが絡む密輸事件とは思わなかっただろう」
岡田刑事にそう言われて、何も出来なかった自分のモヤッとした気分が晴れた気がした。
「じゃあ、もう退院しても大丈夫ですね」
「あぁ、今まですまなかったね
捜査協力に感謝する」
岡田刑事は俺に敬礼をしてから、苦笑いしながら帰って行った。

「これでやっと帰れるか…」
とは言え、まだ怪我が治った訳じゃない。
家から出ないとしても、片手片足だから不便と言えば不便だ。
結局はおふくろに世話を掛けるのか…。

午後になるといつも通りに和田が顔を出す。
「ん?何か良い事あったのか?」
開口一番、そんな事を言われた。
「なんだよ、いきなり」
「珍しく良い顔してからよ」
「はぁ?んじゃ普段はどんな顔してるってんだ!?」
「それを俺に言わせるのか?」
和田は笑って答える。
「…で、何か良い事あったのか?」
俺に缶コーヒーを開けて差し出し、ベッド脇の椅子に座った。
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