第4章 事件
岡田刑事は頭を掻きながら帰って行った。
俺自身、少し混乱はしている。
わざわざ退院を伸ばすくらいの出来事が警察側に起きてる事、それは俺に危険が及ぶかも知れない事…。
(何が起きてるんだ?
考えられるとすれば、現場にいた奴らか、平田の仲間が俺を狙ってる事になるな
それほど重大な現場を俺は見たって事か…)
いろいろ考えてみたがもちろん結論は出ない。
怪我で動きが取れないのは、ある意味救いになっている。
今日は和田は見舞いには来なかった。
正直、俺の見舞いよりちゃんと仕事をしてくれる方が気が楽ではある。
夕方になるといつものようにおふくろが着替えを持ってくる。
「…和也、本当に大丈夫なの?」
「大丈夫だって!
今日も岡田刑事が様子を見に来てくれたし、こんなに人が多い病院なんだから…」
おふくろが心配するのも無理はないか。
「何だよ!昨日も来てただろ!」
病室の外が騒がしくなった。
まぁすぐに誰かは分かったが…。
「あらあら…」
おふくろが騒ぎを収めにいった。
「ったく、だからマッポはよぉ!」
「薫ちゃん!言葉遣い!」
文句を言いながら入って来た薫をおふくろが叱り付ける。
うちのおふくろはこういう所に厳しい。
「ごめんなさい…」
さすがの薫も素直に謝るしかない。