第2章 記憶
「うむ、仕方ない…
港の倉庫に白いワンボックスか…
早速、当たってみる」
岡田刑事は平田さんを連れて部屋を出て行った。
「ありがとな」
少し落ち着き和田に礼を言った。
「気にするな
俺も帰るよ、ゆっくり休みな」
和田が部屋を出るとすぐにまた目の前が真っ白になった。
またか?ここは病院?
「涼子、良く頑張ったな
元気な男の子だぞ」
親父か?ずいぶんと若いな。
「あなたの子なんだもの、やんちゃになるかもね」
おふくろ?こんな可愛かったのか。
「少しくらいやんちゃな方が男らしくて良いだろ」
俺が産まれた時なのか…?
ふっと現実に戻った。
そして頭痛がまた起こる。
「くっ、記憶が戻る度にこの頭痛かよ…
しかし産まれた時の記憶が残ってるとは…」
親父もおふくろも嬉しそうな顔してたなぁ。
「和也~調子はどうだ?」
顔を出したのは薫だ。
まだ頭痛が治まってないのに…。
「ちょ、ちょっと待ってくれ薫…
今、頭痛が酷くて…」
「なんだよ、二日酔いか?
あははっ病院でそんな訳無いか」
まったく、薫はなんでこんな能天気なんだ。
でも、この明るさは心地良いな。