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Shadow Moon

第2章 記憶


「おっ何か面白いことになってるな
で、彼は何て言ってるんだ?」
和田は興味津々だ。
「おいおい、面白がるなよ
名前以外は覚えてないって…」
「えっ?マジかっ?
で、なんて名前なんだよ」
「平田良平だってさ」
「平田ねぇ、俺らの周りじゃ聞かない名前だな、何者なんだろうな…」
和田も聞き覚えがない彼は何者なのか?で話は弾んだ。
「和田は彼を見たことあるのか?」
「写真だけだ
本人を見ようと思ったけど、いつも警察が張り付いてるからな」
やっぱり和田も気になってるのか。
「彼に会えば何か思い出せるかな?」
「どうかな?
まぁ名前が分かれば警察がなんとか出来るんじゃねぇか」
「それがそうでもなさそうなんだ…
さっきも岡田刑事がぼやいてたから…」
「またあのオッサン、困ったねぇ~とか言ってたのか?」
「オッサンで悪かったな」
岡田刑事が入口から顔を出した。
和田は驚きの余り椅子から転げそうになった。
「だぁ!心臓に悪りぃなぁ!」
和田も来る度に岡田刑事と顔を合わしているからもう慣れたものだ。
「和田くんねぇ、悪口は聞こえないように言わないと侮辱罪で逮捕するよ」
岡田刑事は和田に釘を刺した。
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