第7章 一八の苦悩?
「私は響子ねえさんの弟子で花枝(ハナエ)と言います
明日香ちゃんの彼氏さんですよね」
あからさまに彼氏と言われるのは、まだちょっと照れる。
「一八と言います
何かあったんですか?」
今までの経験から桜の精が出てくるのは何かトラブルがある事が多い。
「えっ?分かるんですか?」
やっぱりか…嫌な予感がしてきた。
「いや、桜から出て来てるって事は何かあったんじゃないかと…」
「えぇそれが…変な男に付き纏われて…」
花枝と名乗った桜の精は困惑した表情をしている。
「ストーカー?…でも普通の人には見えないのに?」
俺も首を傾げた。
「がるるるっ」
突然、桃太が唸りだした。
この光景どこかで見たような…。
向こうから何かが近づいてくる。
「やっほぉ~花枝さ~ん♪
会いに来たよ~♪」
能天気に明るい声とやたらと目立つ金髪のイケメン…。
「ラウルかっ!!」
「あぁ~!貴様何故ここにっ!」
嫌な予感はこいつだったか。
「行け!桃太!」
俺の一言でラウルはボロ雑巾状態になった。
「あっ、あの~彼大丈夫ですか?」
花枝が少し引き気味に心配している。
「大丈夫、大丈夫
あいつはあれくらいじゃ応えないから…
それより、何でラウルがあなたに?」
「それは僕が説明しよう」
こいつ(ラウル)もう立ち直りやがった。