第6章 明日香の苦悩
そういえば、あのラウルは第三種だって言ってたな。
第三種になれば、姿を現せるって事だし…。
「明日香は、いつも俺のところで遊んでるけど、昇進出来そうなのかよ?」
明日香も第三種になれば一緒に散歩出来るよな。
今も一緒は一緒だけど…。
しかし、いつもうちに来てる明日香が昇進試験の勉強をしてるとは思えない。
「大丈夫ですよぉ
これでも成績優秀なんですからねぇ」
明日香は頬を膨らませ反論した。
「へぇ~優秀ねぇ…」
「あぁ~、信じてないですねぇ
一八さんを桃太みたいなピンク色にも出来ますよぉ」
明日香は指を空に向けて円を描いた。
「えへっ、どうですかぁ」
「どうって?」
俺は訳分からなかったが、鏡を見せられ…。
「…あ、す、かぁ~
すぐに戻せっ!」
俺の髪の毛は見事なピンク色になっていた。
「は~い、でもこれで分かってもらえましたかぁ」
とりあえず髪の毛は黒に戻った。
とは言え、これで昇進試験に受かるのか?は分からんな。
「ところで昇進試験って何にするのよ?」
「試験ですかぁ
いろいろな決まり事の意味やぁ術式の実践ですよぉ」
「術式って今やったような魔法みたいなやつか?」
明日香はコクんと頷いた。
優秀と言うのはあながち嘘じゃなさそうだ。