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CherryBlossom

第5章 精王と紅(くれない)祖母さん


何が何だか分からないが、俺は今もの凄い場所に来ている様だ。
「お祖母さま、これはどういう事ですかぁ?」
明日香が紅祖母さんに問い掛けた。
「それは儂から説明しよう」
答えたのは精王のおっさんだ。

「明日香ちゃんとそこの御仁、一八殿にまず謝らんとな…
先日、ラウルが人間界で迷惑掛けたそうで誠に申し訳ない」
精王が明日香と俺に頭を下げた。
どこから聞いたのか枝垂れ桜の件を知っている様だ。
(へぇー、ちゃんと筋を通すんだ
さっきの俺の対応にしても度量がでかいし、名君なのかも…)
「あわわっ精王様ぁ、頭をお上げになって下さいぃ」
慌てながらも明日香の口調は、相手が王様でも変わらないのか。

頭を上げたデュラル精王は、今日の説明を始めた。
「今日来たのはな、ラウルが第三種に昇進したから嫁取りを、と思って来たんじゃ
明日香ちゃんなら儂も大賛成なんじゃが…」
「「嫁取りぃ!?」」
俺と明日香はほぼ同時に声を上げた。
「ちょ、ちょ、ちょっと待って下さいぃ
私がラウルさんとですかぁ!?」
明日香は俺をチラッと見て、激しく首を横に振った。
「やはりラウルより一八殿の方が良いと申すか?
しかし、一八殿は人間…精霊とは相容れない者だ
ここは儂の顔に免じて…」
精王は明日香を諭す様に頭を下げた。
明日香は困惑していた。
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