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CherryBlossom

第5章 精王と紅(くれない)祖母さん


途端にその場の空気が変わった。
今まで和やかだったムードが一転、険悪なムードになる。
「なんでラウルさんがここにいるんですかぁ?」
明日香が睨みつける様にラウルを見た。

ラウルはそんな明日香を気にも止めず、俺の前に仁王立ちする。
「君はあの時のおじさんだね
まさかこんなおじさんと僕が比べられるとは…」
沸々と沸き上がる怒りに拳を固めた。
「てめぇ、おじさんって言うなと忠告したよな…!
表出ろ!この野郎!」
俺は立ち上がりラウルを睨みつけた。
「止さぬか!場をわきまえなさい!」
止めたのは意外にも響子だった。
確かにここでやり合う訳にいかない。
俺は仕方なくラウルに背を向け座った。

「なかなか血気盛んな御仁だな」
ラウルに気を取られていたが、後ろにもう一人来ていた。
見れば大層豪華な装飾を施した衣装を身につけた白髪のおっさんだ。
ラウルと同じ金色の瞳をしている。
「精王様…」
明日香や響子が頭を下げている。
(精……王……様……?)
俺はその言葉を理解するのに五秒も掛かった。
「精王様!?このおっさんがぁ!?」
あまりな事態に俺はパニクっていた。
「一八さん、失礼ですよぉ!」
明日香が慌てて俺を制した。
「はははっ!構わんよ、それくらい…
御仁、いや一八殿、儂はラウルの祖父でデュラルと申す
一応、この精界で王を勤めておる者じゃ
よろしく頼むぞ
それより、明日香ちゃんは大きくなったな」
精王は明日香を見て目を細めた。
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