第4章 ライバル?明日香のバトル!
普通に通行人が行き交う中、しばらく睨み合いが続いた。
「彼氏、あの響子さんに認められたんだってね」
「そうですよぉ
一八さんはぁスゴイんですからぁ」
こんな時にも明日香はあの口調なんだ。
しかし、周りの人は見えてないから仕方ないけど、二人の間におっさんがいて間抜けな絵になってる…。
「そんなスゲー彼がなんで明日香と一緒にいるのよ!」
「私がぁ、一八さんを見つけたんですぅ」
緊迫感漂う会話をしてるが、俺から見るとおっさん挟んで火花バチバチって感じで笑える。
「見つけただけで彼氏?
笑わせないでっ!」
おっさんキョロキョロし始めたぞ。
「叔母さまに認めてもらったんだからぁ、変な言い掛かり付けないでぇ!」
なんかオロオロしてるように見えるな。
「何よ!やる気!?」
おっさん、携帯取り出した。
「麗華こそぉ!」
電話しながら謝ってるよ。
「明日香とやり合うのは久しぶりね!」
ありぁ上司か?取引先か?って感じだな。
「手加減しないですよぉ」
おっさん、ハンカチで汗拭きながら小走りで退場。
その直後、目の前をさっと桜吹雪が舞った。
「あらあら、何か面白い事になってますわね」
そこに現れた艶やかな着物姿。
「げっ!姥桜!?
なんでここにっ!」
響子は振り返り、微笑むが目は笑ってない。
「桃太がお世話掛けますわね」
俺は苦笑いするしかなかった。