第4章 ライバル?明日香のバトル!
「誰?知り合い…だよな」
明日香はこくんと頷く。
「幼なじみのぉ…」
明日香の言葉が終わらないうちに、突然目の前に現れた。
「へぇ~これが明日香の彼氏?」
(なんだ、こいつは?)
俺が怪訝な顔をすると、彼女は自己紹介を始めた。
「あたし、明日香の幼なじみで麗華って言います」
明日香と違って、はきはきとした体育会系の少女だ。
幼なじみって事は歳は同じくらいか?
明日香といい響子といい、桜の精は若く見えるな。
黒髪は明日香と違いショートだが漆黒の瞳は同じ。
明日香と同じ様な服を来てるが、これは桜の精の制服なのかな?
「麗華ぁ、何しに出てきたのぉ」
いつもの明日香と雰囲気が変わった。
「怖い顔しないの
ほら、あたし達が見える人間なんて初めてじゃん
しかも明日香の彼氏なんて…
それにここはあたしの桜よ
出て来てもおかしくないでしょ」
麗華の言葉にも刺が見え隠れする。
俺はふっと思った。
(こいつら仲悪いのか?)
「仲良しですぅ!」
「仲良しよ!」
間髪入れず二人同時に俺を睨んだ。
「あはは…仲良しだね」
俺は苦笑いしか出来なかった。
「くぅ~ん」
桃太もこの異様な雰囲気を感じたのか?後退りした。
「桃太、君子危うきに近寄らずだ」
俺は桃太と少し離れて見守る事にした。