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虹色の月【鬼滅の刃/ 短編集】

第1章 不死川実弥(現パロ/死ネタ)□しらんぷり



『お前何で俺の声きこえるんだよ。』
「リビングに居たでしょ。」

リビングにぶら下がる身体。
その下に膝を抱える姫華。
一瞬で察したけれど、声が聞こえるかもと
そっちの方が気になった俺は本当に最低だ。


『生きろよ…バカなのかお前は。』
「馬鹿だよ…今日怒られると思った。」

『俺、お前怒ったことねぇだろ。』
「うん、ごめん怖くてしらんぷりした。」

怒れるわけねぇだろ。
俺が喜んじまってんだから。
けどな……なんで死んだ。生きて欲しかった。
他の誰かと幸せにって思わないといけないんだよ。



『ぶら下がった下で膝抱えてっから…
俺……なぁ……何で…死んだんだよ。』
「実弥と喋りたかったの。」


毎月俺の実家から姫華に野菜が届く。
その時だけ何故か姫華には俺が見える。

俺はいつも見ているけど、
お前はそれをしらんぷり。

そりゃそうだ、普段は見えねぇんだから。

けどその時は視界に入れてくれる。
嬉しそうに微笑んでくれるけど、
お互い声が聞こえず触れられもしない。

ふっと振り向いて、
姫華は申し訳なさそうに眉を下げる。
良いんだよ、当たり前なんだよ。

届きそうで届かない
硝子版1枚挟まれた様なそんな感覚に目眩がした。

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