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虹色の月【鬼滅の刃/ 短編集】

第1章 不死川実弥(現パロ/死ネタ)□しらんぷり




『……。(今、1人で赤くなってんなぁ。)』
「……。(今、1人で赤くなってるんだろうなぁ。)」

手に取るようにわかる
今どんな顔をして、何を考えているか。

きっと、生きてるうちになぜ
言わなかったったんだって、お前思ってるよな。
怖かったんだよ。お前が好きすぎて。
だから今のこうして伝えたんだ。
俺の声がやっと聴こえるようになったみたいだから。

『……なァ姫華。なんでお前、
俺の声が聞こえるんだよ。』

答えは分かってんだ。
本当は今怒らないとならないことも。

何で死んでんだよ!!
俺はお前に幸せになって欲しかったんだ!!!

それのが俺らしいし、正論なんだ。
けど俺は姫華を怒れねぇし。
ダメだと思っても、今めちゃくちゃ嬉しいんだ。


毎日ずっとしらんぷり。
そりゃそうだ俺死んでるし、見えねぇよな。


毎月俺の実家から姫華に野菜が届く。
俺が残してしまった姫華を
心配してくれてるんだろう。
俺の家族は本当に優しいんだ。


それが届くと、その時だけ何故か
姫華には俺が見える。

ちらりと時計を見るとちょうど15分。
そろそろ姫華が戻ってくる。

流石にごっこ遊びはやめねぇとな。
ガキじゃねぇしな。


『もうやめねぇか。』
「丁度、同じこと考えてた。」

言わねぇと、なんで死んだんだよ。って。

『お前馬鹿だよな。』
「うん、馬鹿なの…。」

怒れねぇんだ。お前のこと。


『やっと結婚できるな。』
「うん、ごめんね。」

嬉しかったんだ。ごめん。
お前にずっと伝えたかったんだ。

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