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虹色の月【鬼滅の刃/ 短編集】

第4章 煉獄杏寿郎 □想いの丈




「ふふ、そういえばその想い人が言ってたわ。
さっきの返しを聞いて思いついたらしいの。

今度は百人一首を覚え始めるみたいよ?」

『う、うむ。それは…その。
説が長いから覚えるのに苦労する……。
やめてくれると助かる。と伝えてくれ!!』


「ふふ、けど結局覚えてくれるのが
とっても嬉しいらしいから辞めないって。」

『むぅ…。それは仕方ないな。』



じゃれるように繰り返すそのやり取りは
伝えることのできぬ 想いの丈 を
誤魔化しながら確認する滑稽なものだが
2人にとってはそれが今できる最大の幸せなのだ。




「想い人と幸せになれるといいわね。」

『それは無理だ!!だが、俺の想い人が
幸せになればいいといつもそう願っている!』

「それは叶わない願いね。
その人、杏寿郎の事が心配で愛おしくて
どうしようもないらしいから。」


幸せなど貴方の隣を歩けなければ
到底感じることなどできない。

それを分かっているのにそんな事を
真っ直ぐ言う貴方は本当に意地悪ね。




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