第23章 眠れる皆のお姫様

産『ふふ、お姫様の起こし方は
異国だと決まっているらしくてね？
……接吻すると起きるらしいんだ。』

皆『『『それはちょっと待って下さい！！』』』

産『まじないの様なものだよ。
特に他意は無いのだけれど…駄目なのかい？』

皆『『『それは駄目です御館様。』』』


これが御館様が人生で初めて
総ツッコミをされた瞬間であった。

それにまたクスクス笑い、スっと背を正すと
スタスタと何事も無かったかのように
戸の方へと向かって歩き皆の前で停止する。

その顔は微笑んでいるが、
何時もとは少し違い ドーン と効果音が
着きそうなほど何となく誇らしげだ。


産『うーん、残念だけど仕方ないね。
それなら私はそろそろ失礼しようかな。
皆、身体に気をつけるんだよ。』

皆『『『はい。(これはタチが悪い威嚇だ)』』』


それだけ伝えて微笑みながら
去っていく御館様に一同は返事をするしか
為す術が無かった。

仁義なき争奪戦には
立場など関係ないとこれは明らかな
好敵手への威嚇だ。しかもタチが悪い。