第21章 君が好きだと言う話

義『お前のその頑なに自分を認めないとこ、
俺は大っ嫌いなんだよ。』

「それも知ってます…。けどこればっかりは。
治したくても、中々どうにもできないんです。」

だから許してくださいよ。なんて言いながら
背中をトントンと叩かれりゃ、
どっちが子供か何て分かったもんじゃない。


義『あのさ、俺がの事を
女として見てて、こんだけくっついてよぉ。
すげぇー色々したいの分かるだろ？』

「……どうしたんですか。
何か今日、驚くほど素直ですね。」

クスクスと笑い揶揄われる。
本当に大人の立場ってもんがズタボロだ。


義『お前が自分を認められるまで、
無理矢理にでも甘やかすって俺は決めてんだよ。』
「はい。私はその優しさに甘えて
ここまで何とか 心 を学べました。」


分厚仮面被ったお行儀のいい天使を拾った時から、
その仮面ひっぺがして、幸せな顔が見たいと
俺は繰り返し繰り返し縋るように祈ってた。

その祈りを真っ直ぐ見つめて
願い通り剥がれた天使の本当の顔は
想像してた数倍いや…もっと。

俺の弱い頭じゃ予想出来ないくらいに美しくて、
仮面を剥がすのを手伝ったのが俺だ なんて
少しでも思えば、もうどうしようもなく
優越感と愛しさで気持ちが溢れ出てきた。

そんな頃合なんだ、今。