【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第21章 君が好きだと言う話
綺麗に咲く花には鋭い棘があった。
けれど棘は自分を守るための物。
醜く思いつつも、それでいいと諦めていた。
そんな花の前に突然現れた少女は
その棘を躊躇なく包み込み
ひとつひとつ、丁寧に。繰り返し繰り返し
その棘を優しく取っていく。
そうして棘が取れた美し花を
綺麗な花瓶に刺して少女は嬉しそうに微笑んだ。
【あなたの棘は全部私が取ったから!!
もう安心して、貴方は誰も傷付けないよ!!】
咲き誇ってから1番綺麗になった花は
ありがとうと伝えるが、少女には届かない。
けれどそれでいい。
少女は手が棘でボロボロになっても
嬉しそうに微笑んでいるから。
花はその手すらも大好きだから。
その傷は私の為の傷だから。
そんな自分を醜く思うが、
それすらも 貴方の証だ。 と微笑む少女に
花は美しく咲き続けることで、
感謝を精一杯伝える事にしたのだ。
届かなくてもいい。
それでも貴方が笑っているなら。
それが私の幸せなの。
優しい少女と棘のある花は
それから当たり前の様に共にいる。
【貴方が幸せそうに笑うから。
貴方が綺麗に咲き誇るから。】
少女は花が枯れないように
大切に大切に育て続ける。
それに答えるように花は綺麗に咲き続ける。
そしてまた明日。と共に眠る。
そんな花と少女の物語は
いつまでも可愛らしく続いていくのだろう。
これはそんな物語の始まりの話。
。