第21章 君が好きだと言う話

「実弥は……なんて言うか……/////」

柚『は唯一、男の子として
実弥くんを見てたからねぇ…付き合ったのかい？』

明らかに両思いに見えるんだけど。
の首は横に振られている。

「何か色々あって、うやむやになって
ちゃんと返事は出来ていませんが………。
けど断るつもりでした。ただ、凄く……
本当にドキドキしちゃって。辛かったです。」

柚『好きなのに断るのかい？』

「私も分かってるんです。
私は異性として、実弥が好きです。
けれど今はやるべき事が今は沢山あるし。
目的を達成するまで、鬼が消え失せるまで。
私は誰とも付き合う気は一切ありません。」

ピシャリと言い切るその姿には、
溢れんばかりの決意と信念が現れていて。
その言葉は絶対に貫くんだろうな。と
確信にも似た思いをこちらに抱かせる。


柚『のそういう所。
僕は本当に偉いと思うよ。』

あんな素敵な男の子達に、
自分の好きな人に想いを告げられて。
普通の女の子ならどうでも良くなってしまうだろう。

そうならないのは、自覚と決意が強すぎるから。
そんな所は僕ですら尊敬する程で、
なるほどこの子には敵わない。と嫌でも自覚する。

けれど、もう1つ理由があるだろう？

それを言おうとしているのか、
しょんぼりと下を向き何だか気まずそうに話し出す。


「それに…実弥の隣に女性として立ってるなんて
私には……何と言うか……おこがましいです。」

柚『はとっても可愛いんだよ？』


そう言って撫でてやっても眉を下げて笑うだけ。
この子にとって可愛いと言われることは、
まるで虚言の様に聞こえるんだろう。