【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第21章 君が好きだと言う話
産『(駄目だなぁ。どうにも諦めがつかない。)』
立場というものがまとわりつく自分が
本当に恨めしい。
何も無いのなら今そこにいる彼女を
後ろから抱きしめて構ってくれと、
耳元で囁きたい。
頭からつま先まで優しく口付けを贈って
赤くなる顔が見たい。
同じ空間に居るだけで
まるで夢の様に幸せだ。
そんな事を考えているうちに
自然と足は本を見つめる恨めしい後ろ姿へと
ゆっくりと進んでしまう。
産『(少しだけ、いぢわるを言おう。)』
そんな事を考えながら
背の方から包み込むように
トンと優しく本棚に肘を着く。
「耀哉様?////(まさかの後ろからの壁ドン!?)」
産『これはほんの絵空事で……。
さっきの話の続きなんだけど…
せっかくだし、聞いてくれるかい?』
はっはい。と返事をするは
ちらりと見える耳が赤くなっており。
どうにもそれが可愛くて、空いている手を
腹の方に回し少しだけこちらにひきつける。
赤い耳元に顔を近づければ
ビクリと体を強ばらせ、
目の前の本棚にかかる手がキュッと握られる。
産『(駄目だ、愛しくて仕方ない。)』
少しだけイタズラのつもりだったが
そんな可愛い反応を見たら当たり前に
期待してしまい、また鼓動が早くなる。
本当は乱れそうな呼吸を何とか
自分の中に押し込めて、
ちょっとした自分の願望を囁く。
産『もしも君が紫式部だったら、
………僕は…光源氏になりたい。』
彼女に理想として描かれて、
散々振り回されて最後は自分を
愛してくれとねだられる。
物語りの中だとしてもそれは
どんなに幸せなことだろうか。
結論として自分は絶対にを。
物語りとしては六条御息所を選ぶだろう。
身分や歳など考えず奪い去ってしまい、
2人で隠れてひっそりと暮らす。
そんな想像をしていまえば、
建前など簡単に崩壊してしまい
ボロボロとボロが出はじめる。