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【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】

第21章 君が好きだと言う話




「紫式部もそうありたかったんですよ。
ちょっとした遊び心で色んな人物と
自分を重ねてみたけれどやっぱり違う。

感情が入るのは当初自分の理想として描いた
六条御息所だけ。だから最後は貴方が。と
彼女に思いを託して描き続けた。

けれど本の中の理想の自分ですら、
感情が入り自分と似た部分が出てきた。

そうなると遂に幸せが想像できなくて
女を恨み殺して見ても、何をしてみても。
どうしても勝てない。

それがなんとも苦しそうで、
何だかそれを思うと胸が痛くなります。

きっともっと他に素敵な所なんて沢山……。
あったはずなのに。教えてあげたいな、て。」


自分のすぐ隣で本を見つめながら

最早それが本になるのではないか?
と言う内容をつぶやく横顔は、
また自分が好きなあの顔をしていた。

相変わらず分かりやすく早くなる鼓動が
どうしようもなく苦しく感じて
どうにも抑えが効かなくて
何とかしてくれと無理矢理腕に閉じ込めた。


「ふふ、大丈夫ですよ?
それこそただの妄想話ですから。」


抱きしめた腕をあやすように
トントンと叩きながら笑うその仕草に
馬鹿の様に素直に、鼓動が静かになる。

まるで良く躾られた犬のような…。
情けないが、どうにも嫌ではない…。
そんな何とも珍味な感覚に
少しばかり戸惑ってしまう。

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