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【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】

第21章 君が好きだと言う話



「ふふ、六条御息所は光源氏の
1番早い恋人の1人なんですよ?
それも、美しくて賢くて完璧な人間です。
勝ちたかったんですよ、他の女性に。」

その言葉を聞いて自然としっくりくる答えが
頭にポンと浮かんだ。

産『そうか、彼女が…紫式部なのか。』

それにニッコリ微笑むと考察の続きを
ゆっくり艶のある声で語り出す。


「初めは他の恋愛も疑似体験してみたくて、
光源氏と他の女性の恋を書いてみた。

最後はこちらに戻ってきて、
やっぱり君がが1番だ。とそう言われる。
何せこの物語の中の自分は完璧なんだ。
そんな事も思っていたのかもしれません。

けれど書いているうちに年齢含め、
色々な理由が重なって彼女達には
どうやっても自分は勝てないことを
悟ってしまったんじゃないでしょうか…。」


皮肉ですよね。と言葉を続けた彼女は
なぜそんなに悲しそうなのか。

何となく自分もしっくり来てしまった
素晴らしい考察に感心しつつも、
その悲しげな仕草の方が気になってしまう。

産『紫式部と自分を重ねているのかい?』

そんな事が無いのが分かっていても
悲しげな顔の原因がどうしても気になって
何とか探ろうと思いついた突破口を
無理矢理に投げつけるとすぐに、
いいえ。とクスッと微笑まれた。


「さっきのも含め勝手な考察ですから
気楽に聞き流して欲しいのですが、
私は光源氏が可愛そうでならないんです。」

産『光源氏がかい?』

予想外の答えに思わず目を丸くすると
あれ、珍しい顔ですね。とクスクス笑われ
何となく気まずくて目をそらす。

「勝手に理想像として作られて、
いくつも無理矢理恋愛をさせられて
それでも美しい素晴らしいと称えられ
選ばなかったからと、恨まれて…。
もうなんというか。
人権ないじゃないですか彼は。」

何なんですかね、可哀想で、
私は光源氏が嫌いになれないんですよ。
そう言いながらカラカラと笑う顔は
先程とは違い、いたずらが成功した子供ようで
それもそれで何とも可愛らしいが
ならば先程の憂いをおびた顔は何だったのか。
余計に気になってしまう。

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