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【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】

第21章 君が好きだと言う話



その矛盾に疑問を持ったが
彼女の考察の方が気になるので
少しだけそちらを急かすことにする。


産『面白い考察だね。
そもそも女性の書いたものだから、
それも一理、あるかもしれない。』

「夫と死別してからその辛さを忘れるために
書いたと言われていますが………。
生霊になるほど愛せる。そんな男性に
出会いたかったんじゃないですかね本当は。」

産『夫は愛して居なかったということかい?』

それにコクリと頷いて、
私の持っている本をそっと取り
ペラペラと優しくページをめくる。


「もう子供もいる。色んな立場もある。
唯一恋ができる可能性のあった夫も
死んでしまい、もう恋が出来ない自分。

だからこそ彼女の理想とする光源氏という
人物を作って色々な女に自分を重ねて…。
書き綴っていたのではないかと思うんです。
した事のない恋への憧れが作り出した妄想話。
ただそれに大まかな道筋として栄光と挫折を
織り交ぜただけの……そんな下らない……。
夢物語なのでは無いでしょうか。」


本に目を落としながら、
切なそうに微笑む横顔はとても大人っぽくて
まるで何かを想っているような顔だった。

まるで恋しているかの様なその顔に、
その想いの先は自分だと少しだけ想像すれば
簡単に鼓動は早くなり、いつかの柔らかい唇と
不器用な口付けを ふっ と想い出す。


正直もう源氏物語など、どうでも良くて。
どうしようもなく まだ好きだ という
事実を、自分が贈った耳飾りにすら
嫉妬の目を送ってしまう情けない自分に
思い知らされる。

そんな気持ちを押さえつけるために
何とか疑問点をひねり出し問いかけた。


産『それならばそれこそ、
六条御息所は要らないのでは無いかい?』

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