第21章 君が好きだと言う話

杏『俺はが好きだ。
下手な算段を立てるくせに、
それをするのが怖いと思うくらい、好きだ。』

「 答えられなくてごめんね。」

_________素直に伝えてやんわり断られる。



杏『お前はいつもそうだ、分かってるだろ。
のらりくらりとそうやって散々揶揄って。
俺ばかりお前を好きになって、他の男にも
可愛らしく微笑んで……本当に苦しい。』

「ごめん。杏寿郎の隣りが心地よくて。」

________少しの褒めと、嫉妬心を滲ませる。
それでもお世辞ばかりで喜んでもくれない。



杏『接吻もお前の助平な所も、
何度も想像した。逢い引きしたり
好きだと言われる想像なんて…
それこそ毎日している。気持ち悪いだろ？』

「あれ、それも算段？
だとしたら最高に嬉しいな。」


_________羞恥心を投げ打って心を自傷しても
頬も染めてくれず、揶揄われる。



杏『男として……俺の事を
好きなわけでは無いのだろう？』

「うん。友達として仲間として大好き。
男として見たことは1度もないよ。」

_________確信をつけば真っ直ぐ断られる。


杏『なら揶揄うな。
本当に辛いんだ、心が潰れそうだ。』

「なら、この腕離してよ。
なんで痛いくらいに抱きしめてるの？」

________可哀想な俺を演じて、同情を煽っても、
当たり前の事実を突きつけて平気な顔をしている。


杏『はぁ……ほんとに…。敵わんな。』

「私、杏寿郎の師範だよ？
作戦何て分かっちゃうよ。」

もうダメだ思いつかんっ！！と
深くため息をつけば、全てお見通しだと笑われる。