【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第18章 師範たちの過去
「そしたら義慈さんのお家も?」
義『おお、まあ肥溜めみたいな
場所だけどな。あっちの方だ』
しだれ桜の木の位置は丘になっていて
先程歩いてきた所は綺麗な歓楽街。
義慈が指を指す丘の反対側には
現代で言うスラム街のような
とても綺麗とは言えない街が見えた。
柚『義慈はよくここから
歓楽街を眺めてたんだよね。』
義『子供の俺には憧れだったからな。
病気の親父、体の弱い母ちゃん、
2人の弟を養わねぇとならなかったから
夢のまた夢みてぇな所だったんだよ。』
「……そうだったんですか。」
真逆な2人はお互いに
知らないことを知っていて
毎回話のネタは尽きなかったそうだ。
義『柚樹が父さんに、俺の親父が
病気だと話してくれてな。
嫌な顔ひとつせず金も取らず、
献身的に面倒見てくれてよ。』
柚『お父さんたら、歯止めが
効かなくなって結局毎回町中
見て回ってたんですよ。』
義『挙句親父とも仲良くなって
汚ぇ俺の家に泊まってったりしてな。』
そんな2人の言葉に、
本当に優しい人なんだなぁと
簡単に想像出来てしまう。
義『何だかんだ幸せだったな。』
柚『そうだね。』
そんなやり取りに、
きっと終わりが来てしまったのだろう
と、とても悲しくなる。
義『 忌み子 って、言われてただろ?
俺の家族含め、あの町の人間は俺以外
みーんな鬼に殺されたんだ。』
「みんな?……そんな大量にですか?」
街全体なんて、何人殺されたんだろう
そんな疑問が頭をよぎる。
義『お前は鬼さんホイホイだろ?
俺は稀血なんだよ。』
柚『それも、鬼とっては得上品。
一緒に鬼を狩っててもいつも
義慈が狙われて、鬼は酔っ払いみたいに
なっちゃうんだよ。』
「実弥と一緒だ……。」
あの餓鬼もか!?と驚いた様子だったが
脱線しそうだったので、なんとか話を元に戻す。