【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第12章 炎の意志と呼吸
槇『花の良さは分からんが、儚い物とは尊いな。』
そう言う横顔は夕日に染まり
金の髪と重なりとても美しい。
瑠『本当に今日はどうしたんです?』
口下手な槇寿郎が、甘いことをよく喋る。
本当に槍が降るのではと心配していると
目の前に端正な顔が近づいてきた。
軽く当たった唇に目を見開くと
サッと目線を逸らされてしまう。
槇『お前のその一瞬だけ変わる表情が
可愛らしく尊いと思ったんだ。』
本当はずっと見ていたいが
一瞬で儚いからこそ
また見たいと心が踊るんだろうな。
そんな言葉を聞いて、
頬を染め固まっていると冷えるから帰るぞ。
とまた手を引かれる。
その手をぎゅっと握り返し
顔を仰ぎみると、夕日負けないくらいに
紅葉色に染まっていた。
瑠『私…。いっとう幸せです。』
赤い顔に素直にそう伝えると
俺もだ。 と答える槇寿郎。
それから何も話さずに帰る2人の顔は
何とも幸せそうに笑っていた。
槇『(儚いからこそ美しい…か。)』
瑠火を送ったあと自室に帰りそんな事を考える。
少し分かったかもしれない。と思いつつ
そう言えば菖蒲とかすみ草の花言葉は何なのだろうと
今朝恨めしく眺めていた本をペラペラとめくってみる。
ああ、しまった、熱烈すぎるだろぅ。
と顔を赤くして頭を抱えるのに
そう時間はかからないだろう。