【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第12章 炎の意志と呼吸
杏『不思議だ、俺はこんなに動けるんだな。』
杏寿郎は自分の震える手を見つめる。
あんなに動けたのは初めてだった。
限界など無いというほど気持ちは高まり
身体は羽のように軽かった。
何よりもあんなに辛かったのに楽しかった。
呆然とする杏寿郎の手を握って
ニコリと微笑む。
「当たり前の事だよ。
その筋肉の柔らかさは天性の物
それに加えられた努力。
気迫なんてまさに1級品。
余計なことを考えなければ、
杏寿郎もっともっと強くなれる!!」
その言葉に目を見開くと杏寿郎は目に力を宿した。
杏『うむ!俺は、必ず強くなるぞ!!!』
「ふふ、わっしょいっわっしょいっ!!」
杏『わっしょいっ!身体が動かんっ!!!』
あははっと笑い合う2人を槇寿郎が見つめる。
槇『(身体が動かなくなるほど自然と人を動かす
指導力。顔からして杏寿郎は苦痛より心地良さが
勝っているんだろう…。麻薬の様な娘だな。)』
「槇寿郎さーんっ!!!」
ブンブンと手を振るは
先程とは別人の様だ。
槇『叫ばずとも聞こえている!!
杏寿郎をこっちに移動させろ!』
もう動けんだろ!!
そう言われ杏寿郎は苦笑いしする。
「はーい。」
と軽く返事をしてひょいっと杏寿郎を姫抱きにする。
杏『ま、まってくれっ!!!
その運び方は辞めてくれないかっ!』
(顔が近いうえに恥ずかしいぞ!!!!)
「すぐそこまでだから我慢っ!」
嫌なら動けるの?
というに むう…。と口ごもる。
それにクスクスと笑うと
槇寿郎の後ろまで運んでやる。
槇『はっはっは!嫁に来いと言った女子に
そのように運ばれては何も言えんなぁ!!!』
なぁ、杏寿郎?
そう言って揶揄うと、
何も言えずそっぽを向いてしまった。
槇『まだまだ足りんだろ、次は俺だ。』
「良いんですか!!よろしくお願いしますっ!」
槇『杏寿郎、客観的に見てみろ。』
俺との強さをな。
それを聞いた杏寿郎は動かない手をギュッと握り
悔しさと期待を抱いて はい。と静かに呟いた。
槇『(あんな物を見せられてはな…。
剣士として胸が高鳴るのも仕方なかろう。)』
「(現役柱の槇寿郎さんと手合わせ。
どうしよう、楽しみすぎて震える。)」
2人はそれぞれの想いを胸に
木刀をギュッと握った。