【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第11章 最重要機密事項
には一つだけ心当たりがあった。
それは誰にも言っていないこと。
「……私は最終選別で…。」
誰にも言うつもりは無かった。
こればかりは、戦いの中にいる限り
きっと誰もが通る道。人に言う話ではないのだ。
けれどそれは守る事を目的にしていたには
余りにも残酷で、あまりにも耐えがたいことだった。
言うつもりがないのに、何故か口が開く
「…私は人を殺めました。」
産『……うん、それはどうしてだい?』
御館様の声を聞くと、何故か話してしまう。
「私が見つけた時、身体は既に上下二つに
分かれていて鬼がそれに食らいつく寸前で…。」
助けられなかった、どう見ても助からなかった。
「痛いから、早く殺してくれと……。」
悔しかった、けれど楽にしてやる方法が
それしか無かった。
「私は、その人の息を刀で止めました。」
産『うん。』
「人を守る刀で、人を守る力で、人を殺めました。」
ホロホロと涙が零れる。
不快だった、人を切る感覚。
気持ちが悪かった、
自分が息の根を止めたという事実。
受け入れなければならない現実。
だから、弐ノ呼吸 創造再生が生まれたのだ。
あの体をくっつけて治してあげたら…。
新しい技が出来るほどにその気持ちは強かった。
産『その子の苦しみを解いてくれて
ありがとう、。』
そう言ってそっと抱きしめられる。
「戦っていればいつかは巡り会うと思っていました。
けれど…………思っているのと実際では…、やっぱり
全然違って………覚悟がないと言われも仕方ないです。」
守る世界は当たり前にキラキラしていなかった。
産『こんな世界は、一緒に壊してしまおうね。』
そう言って優しく背を撫でる。
産『僕達で必ず終わりにしよう。』
肩を持たれ真っ直ぐ瞳を見つめそう言われる。
不思議との涙はスっと消え、瞳はまた前を見る。
その瞳は、目の前の御館様をハッキリと映した。
「はい、必ず……。」
そう言う声は揺るぎがない。
それを聞き、何時ものように御館様は微笑む。