第28章 幸せな日常

柚「まあ、今も無理はしますけど。
……少なくとも作り笑いはしなくなりました。
間違いなく死に急いでる感じでしたしねぇ。」

実「…うわぁ、けど俺。
の気持ちは分かります。」


自分の体調より早く強くなりたくて鍛錬がしたい。
そんな気持ちは実弥にもあったのだろう。今となってはそれが本末転倒で良くない事だと分かるが、それしか無かった時はそうなるなァ。と同意した。

そんな実弥を横目で見てからクスっと笑った柚樹はわざとらしくため息をついて言葉を続ける。



柚「結局勝手修行するもんだから
仕方なく稽古をつけながら治して……。
流石の義慈も頭を抱えていましたよ。」

実「(俺が怪我した時同じことしてたなあいつ。)」



無言で気まずそうに目を逸らす実弥を面白そうに見てから『あと、こんな事もありましたよ。』と柚樹はまた思い出を紐解くように語り出した。