【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第27章 不安と過去とそれから未来
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「これが、私の昔話。」
彼女の現実世界の昔話はここから大きく変わる。
引き取り手の家族が死んだことがきっかけで
中学入学と同時に児童養護施設に引き取られ
やっとまともな生活が出来るようになったのだ。
そこからは、自分の決めた通り
そつなく生きてそつなくこなす。
ひたすらそれの繰り返し。
大人になってからは残された借金をひたすら
返しつづけるそんな毎日だった。
結局、いつも笑顔で人当たりも悪くないから
極端に誰かに嫌われることもなかったし
それなりに懐いてくれる人間もいたが
それには特に興味は持てなかったし
深く関わろうなんてそれこそ思わなかった。
「……………ここに来るまでは。
んー違うな……柚樹さんと義慈さんに会うまで
………自分が不幸しか運ばないって思ってた。」
結局それが根底にあったから
深く関わることもせず生きてきたんだろう。
この世界に来るまでのは
ほんとにそんな淡泊な人間だったのだ。
「人間、何があるか何て、わかんないよねぇ。」
過去を語る間、の顔は酷く穏やかだった。
「こんなに幸せもらったからさぁ。
………私も早く皆に幸せ返したいな。」
嫌な過去ではあるが、それでも”の事を知りたい”と言われた事の方が嬉しかったのだろう。