【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第27章 不安と過去とそれから未来
『…俺ァ…そろそろ組を抜けようと思ってんだ。
なあ、そしたら着いてくるかぁ?
貧乏だけどな、生きてはいけらぁ。』
そう言って ニヤリと悪人ズラで笑う姿が
少女にはまるで 希望の光みたいに見えた。
初めて”救われる”という感覚を味わったのだ。
この人と一緒暮らせたらどんなに楽しいだろうか。
もしかしたら他の子と同じように友達と遊んで、テストの点数を競って家に帰っても布団で眠れて、朝起きればこの人に笑いかけて貰えるかも知れない。
そんな幸福が自分にも…。そんな風に思ったからこそ、着いていくことは出来ないと思った。
「いいの?………私がいたら不幸になるよ?」
拾われた家で繰り返し言われる言葉。
”お前が居ると不幸になる”
だからお前の両親も狂って死んだんだと言われ、少女は何も言えなかった。
誰がなんと言おうと、両親が売人を始めた原因は自分だと思っていたから否定が出来なかったのだ。
けれど諦めがたくて、いいの? と付け加えた。
それ程、本当はこの人に着いていきたかった。
そんな少女の言葉に男はケタケタと笑う。