【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第27章 不安と過去とそれから未来
「この人達を………犯罪者にしないで。」
『……何を言ってんだ…お前は。』
やっと紡いだ予想外のお願い事に男は目を見開く。
「優しい時もあったんだ。それが本当の
お父さんとお母さんなんでしょ?」
きっと彼女はそう信じたかったのだろう。
まともな時の両親は優しくて
ごめんね と涙を流して抱きしめてくれた。
それから直ぐに手を上げられたが
きっと全部、お金の為の薬のせいだ。
そう思い込んで、彼女はずっと生きてきたのだ。
そんな彼女を見て男は涙を拭い真っ直ぐに目を合わせて言った。
『…その姿は忘れちまえ…。間違いなく
コイツらの本当の姿は今の姿だよ。
現実をしっかり見ろ。これが答えだ。』
男のその顔は真剣で、戸惑っているとグイッと無理矢理顔を捕まれ両親の死体を見せられらた。
腐敗し始めた両親の亡骸を数秒見つめた少女は淡々と、無機質に呟く。
「…分かった…。じゃあ…………
優しいのはおじさんだけだね。」
思い込んでいただけで彼女には分かっていたのだ。
___両親は自分のことなど愛していない。
縋る様に謝るのは、自分達の罪を誤魔化すための物で、本当の心など等に捨てている。
そして現実は、この目の前の男だけが彼女の支えだった。虐待も、薬物も、周りの人間は見て見ぬふり。そんな中でも繰り返し訪れて優しく撫でてくれる男に、彼女は心の底から救われていたのだ。