【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第27章 不安と過去とそれから未来
『私も…一緒にしたいっ…。』
『ははっ、仕上がった顔してんじゃねぇか。』
不幸中の幸い。いや、ある意味では不幸の始まりだったのかもしれない。子供は演技が上手だった。
1度だけ薬を打たれた彼女はその感覚をしっかりと覚えていた。だから2度目からは自ら”薬を打つふり”をして、父親の逆鱗に触れ殺されない様に取り繕い続けていた。
『おい、…。ほらこれ食え…。
食べれるか?………駄目なら隠しとけ。』
そんな子供の事を気にかけてくれる人がたった1人だけいた。今や薬漬けになった夫婦に売人の仕事を紹介したやたらとガタイのいい男だ。
『ごめんなさい。吐いたばかりで。
…後でこっそり食べます…。ありがとう。』
『アイツらいつ寝かせた?…コレ追加だ…。
上手く打てよ?…。まだちゃんと効いてるか?』
身体を合わせていると何故か自傷行為が酷くなる夫婦を落ち着かせるための”鎮静剤”を持って現れること男の存在に子供は救われていたが”腐りにくい食料”と、”親を死なせない為の薬”を持ってきてくれるその男に子供はぼんやりと疑問を抱いていた。