第27章 不安と過去とそれから未来

「……いや、やっと好きって言えたし。
ゆっくり2人になれたし…私は実弥が好きなの。
ちょっと任務で色々あったし、実弥補充したい。」

実『なっ。(駄目だ。なんだコレ勘弁してくれ。)』


何故か、鬼の山で言われた”甘えたくなるから駄目”なんて言う可愛い姿まで思い出して背がゾクゾクと栗だって、手が震えだした。

俺はだいぶ我慢強い方だと自負しているが、今日のコレはあんまりにも攻撃力が強すぎるだろう。



「こんなにくっついてたら我慢出来ないよ。」

実『…ん”ん”っ！？』


顔を真っ赤にしてそんな事を言われればもうそうだとしか思えなくて俺はしぶしぶ身体を引き剥がしてこっそりと呼吸を整えた後に素直に問いかけた。


実「…な…なんだ、誘ってんのかァ？
悪ぃ、もうそうとしか思えねェんだが…。」


もう本当にそうとしかとれないのだが、いったいこの意図は何なのか。頼むからこの煩悩をいつものズレたやつで砕いてくれとの顔を覗き込むと、目を見開いて明らかに驚愕の顔色をしていた。


「………さ、誘っ！？え、あ、あの。(今更！？滅茶苦茶誘ってるのにやっぱ伝わらない感じですか！？)」

実『…。(ほらァ…いつものやつじゃねェかよ！)』


あぁ、やっぱりか。と先ほど”打ち砕いてくれ”なんて思ったのに本当に打ち砕かれると残念に思う自分はに何と言って欲しかったんだろうか。



実『………。(もう、訳が分からねェ。)』

「(何この顔！！どういう心境なのこれ！？
ほ、本当にその気が無いなら……気まずいな。
…………駄目だ、挫けた。誤魔化そう。うん。)」


アワアワと慌てているの顔から何とか何かを読み取ろうとじっと見つめる。何故か青くなったり赤くなったりを繰り返しているが、いったい何が言いたいのだろうか。