【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第27章 不安と過去とそれから未来
「………実弥、おやすみ。」
実「(寝たくねェけど…寝かせてやんねェとな。)」
小さな”おやすみ”がやたらと名残惜しく感じる。
”俺も大概諦めが悪い。”等と頭では思いつつも、久しぶりのこの2人きりは随分と特別な気がして、どうしても”おやすみ”が口から出てこなかった。
「おやすみ、言ってくれないの?」
実「(何でこんなに可愛いんだろうな、コイツ。)」
上目遣いで首を傾げる姿に思わず惚けた。
少し空いた口元に目がいき、引き寄せられそうになる。
俺は一日に何度コイツを”可愛い”と思うのだろう。
惚れ込んでいる。なんて言葉では到底済まないほど圧倒的な熱量をに向けている自分はわりかし女々しいんだなんて、考えまで湧き上がってくる始末で俺は自傷気味にため息をついた。
実「…言いたくねェんだよ。」
寝る時間も惜しい。けれど、幸せだ。
もっと、ずっとと話していたい。
本当は常に触れていたいし、ずっと構っていたい。
気色悪いと自分が情けなくなる位、の隅々まで全て知り尽くしたい。
俺がそんな風に思っていることをはきっと知らないし、分からないんだと思う。
「んー、じゃあ……また明日?」
実「……いや、そうじゃねェ。」
この気持ちが伝わって欲しいような、けれど格好がつかないのでバレたくないような。
そんな微妙な心境なのに、このお決まりのズレた返答も愛らしいな。なんて思ってうっかり口元が緩んだ俺を見てが恐る恐る問いかけてきた。
「あのね、私……まだ眠くないから。
今日、ちょっとだけ……甘えたいな。」
実「…きょ…今日は甘やかせらんねェから駄目だ。」
ドクンっ。と阿呆のように高鳴った鼓動を何とか誤魔化そうと、食い気味に断った俺には分かりやすく眉を下げる。