第27章 不安と過去とそれから未来

「…誰にでも見せる訳じゃないからボタン閉めてたんじゃない。耀哉に勘違いされたくなかったからちゃんと見せて説明したんだよ。」

産「……それはどういう事かな？」



確かに本当に気にしていないのなら隠す行動をする必要も無いし、男女関係のソレではないと勘違いされたくなくて直ぐに説明したかったのならこの一連の行動の理屈も揶揄いではないと説明もつく。

しかし、本当にそうだとすると”自分には見せても良い”とそう思ったという事になるのだが。



「…今度あまねさんと会わせて欲しいの。」

産「(コレはそういう意味で良いのだろうか。)」



さらに追い打ちをかけるこの言葉に舞い上がるような心地になったが、何とか思いとどまる。

関連付けて考えれば”気持ちがコチラに向いている”と捉えられる言動なのだが、相手はだ。

またいつもズレたやつという可能性も否めない。



産「…ぬか喜びは嫌だから、
分かりやすく説明して欲しいんだけど。」

「その…耀哉はまだ私の事……欲しい？」

産『(こ、これはそういう意味じゃない。
誘っているわけでない、違う。惑わされるな。)』



御館様の問いかけに真っ赤な顔で首を傾げる。欲しいかと聞いた後に不安げな顔で
__きゅっ。と口元を噤んで見つめられると体制も相まって誘われている様にしか見えないのだが、恐らくこれは違うと御館様は大きく息を吐いた。