第26章 命懸けのかまかけごっこ

「………童磨…。( ほんとに泣いてる。)」

童「。帰ったんじゃなかったの？」





襖の先には 座って涙を流しながら
いつもの仮面の様な表情でこちらを見る童磨。

泣いているのだから、
きっと何かあったんだろうが
いきなり聞くのも不躾な気もするし
けれどとりあえず慰めたい とは
うーん。と悩んだ後、一つだけ童磨が
喜びそうな事を思いついたのでソレを提案する。





「……血でも飲む？」

童「ここはさぁ…こう抱きしめてきて
愛のひとつも囁くのが普通じゃないかな。」





いや、だから空気を読めよ。と
自分事ながらツッコんでしまった童磨に

おぉっ。と何故か納得したは
ちょこちょこ と童磨に駆け寄って
__ギュッ。と後ろから優しく抱きしめた。





「……こんな感じ？」

童「……いや、言われてからやられてもなぁ。」





いや、確かにそうなのだが。

と、何とも言えない気持ちになった童磨だが
何故か理由なく流れていた涙はひっこんだ。

やたらと落ち着くの匂いと
温かさや柔らかさに何となく絆されてきたので
腕を引き脚の間に座らせてやると
は抵抗もせずそこに収まったあと
背を童磨に預けたまま呟くように話し出した。