第26章 命懸けのかまかけごっこ

猗「…変なやつだな。本当に。」

「猗窩座も充分変な鬼だけどね。」





うるさくない黒色の瞳は何故か目が逸らせない。

は目を合わせるのが癖なのか
じっと動かないものだから余計に
そのまま見つめてしまう。

やんわりと口に弧をかいて息を引くように
話しかける。どれも何故か心地いい。

きっと全てが煩くないと感じるのは
やたらと品がよく見えるからなのだろう。

随分とお気楽で阿呆なのは確かだが、
どれも下品に見えない。きっとそれが
という女性の魅力なのだろう。







猗「お前は阿呆だが品のいい。
本当に人であることが勿体ない……。
随分と美味いんだろうな、は。」





この人間は色々な意味で美味いのだろう。

猗窩座が特に美味そうな頬をつまみながら
素直にそう伝えると クスクス笑って

それは褒めてるの？ と言いながら
お気に入りらしい紅梅色の髪に触れ
お礼だと言わんばかりになりの
猗窩座印象を楽しげに伝える。