【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第26章 命懸けのかまかけごっこ
「私ね、こんな悲しくて意味の無い輪廻は
もう終わらせたいの。…だから私が断ち切る。
だから猗窩座も………時が来れば私が殺すから。」
ただ、どこかで止めなくては繰り返される。
そして仲間を幸せにしたいのならば
彼等の恨む ”鬼を滅する” それしかない。
誰かがこの混沌を断ち切らなければならないのなら
自分がこの手で全てやり抜いて守りきる。
だから、目の前の優しい鬼にソコは隠すことは
しない。 いつかお前も殺すしかない。
それはいつでも決して変わらない関係。
ただ、今すぐでは無いだけだ。そう告げる目は
真っ直ぐに猗窩座を見つめていて
”殺す”という酷く残忍な言葉ですら
優しく感じるほどその声は穏やかに響き渡る。
猗「俺にとってはお前が鬼だな。
………女を殺す気にも喰う気にもならない。」
猗窩座の口からポロリと零れるように出た
この言葉は 恐らく本心なのだろう。
目の前のやたらと 妙 なこの存在は
どうやら 不快にならぬ異様な物体で
おおよそ女であるコレ を殺そうとは
なんとなく気が乗らない。そんな感覚なのか
なんとも優しげな顔で ”殺す” への返答をした
猗窩座には クスクス と笑いだす。
「ふ、ふふっ、いや、だったら
さっきまでの容赦ない打撃は何なのよ。
まさか容赦してくれてた?…絶対違うでしょ。」
人ならば頸がもげるだろう。 そんなあんばいで
思い切り蹴りあげた癖に何を言うのか。
けれど、どうにもこの顔は優しい。
嘘を言ってるようには見えないし
血気術までわざわざ見せてくれたのだ
先程の攻撃が揶揄いの精度ではないことも
分かるがだいぶ矛盾している。
だがなんともこの鬼はやたらと優しい顔をする
まるで癖のようなそれがどうにも嫌いになれない。
そんな事を思っているを猗窩座は
下がり眉を上げて訝しげに見つめてみたが
相変わらず機嫌良さそうに笑うものだから
思わずため息がもれて、毒気が抜かれたように
このコロコロ変わる心情の原因を
ごく自然な会話のようにぼんやりと呟いた。