【鬼滅】硝子玉 。柱には師範が居たらしい。【逆ハー救済夢】
第26章 命懸けのかまかけごっこ
猗 「「ま、真似をするなっ!!!」」
戸惑いつつひねり出した本音の文句は
これまたどうやら真剣に同じなようで
2人はまた同じ動作で頭魔を抱える。
猗 「「……わざとじゃ無いのか!?」」
ついに 叫び散らした言葉も同じで
2人は脱力気味にお互いを見つめるが
どうやら、本当に見事な偶然らしい。
猗「……な…なんとも…やりにくいな。」
「………そうだね…とってもやりにくい。」
これは、何とも格好がつかないし
なにより異様なほどやりにくい。
けれど、目の前の相手は明らかに強者。
ふざけていないのならば戦いたい。
「あ、猗窩座…黙って…やろうか。」
猗「あ、あぁ………そうしよう。」
「なんか、……ごめんなさい。」
猗「いや、もう……とりあえず仕切り直しだ。」
お互い戸惑いつつも拳を構えれば
先程のワクワクとした高揚感を持ち直す。
お互いに踏み込む足も揃いではあるが
きっとこのまま拳を交えれば
戦いは成立して楽しめるだろう。
「(兎にも角にも…私と同じタイプなら
口で話すよりも拳を交えた方が分かってくれる。)」
猗「(兎にも角にも…拳を交えねば
なにも始まらん…。…言葉など要らないか。)」
これまた微妙に似た心境を称えた2人は
同時に踏み出してお互い鏡のように動く。
そんなお互いに少しばかり不安は残るが
きっとこのまま続ければ大丈夫。
何より命をかけた試し合いなんだ
目の前の戦闘狂がそれを見逃す道理がない。
そんななんとも言えない心地の中
2人の拳は常人には目で追えぬ速さで
月の下で交わるのだった。