第25章 強化合宿はじめます

杏「いつかそうなる。それで良い。
その方が色気のある関係だと思わんか？
勝つも負けるも無い。それでいいと思う。
そもそも隣に居るだけでも充分なんだ。」







身体の関係が欲しくないとは思わないが
亀より例えその速度が遅くても
いまと変わらず俺は隣にいる。


きっとはその時がきたら
いつものように笑って 教えてくれる。

それに合わせてお互いに変わればいい。

その方が全てを貰えるような
そんな心地になれるから、それでいいんだ。


阿呆の様に求めるよりも
だいぶその方が色のある関係だと思う。







「……私は早くしてみたいけどなぁ…。」


杏「！！したくない訳では決して無いぞ！！
したいのならば今すぐでも正直構わんっ！！
あれだけ鼻から血を出す程度にはしたい！！
気になりもするが何も競走では無くて…
そういう意………よもや、なんだその顔は。」







求められるのなら、それは勿論逃す手は無いし
何やら勘違いした様な物言いに
焦って自分の考えを伝えたのだが

また見覚えのある顔をして笑っているので
これはやられたとため息をついた。






「ふ、ふふっ。」

杏「……また、揶揄ったな？」

「うん、揶揄った！！」





また、上手いこと転がされた様だ。


何故いつも格好をつけたことを言うと
揶揄って笑うのだろうか。

少しくらい頬を染めてくれても良いだろう。


毎度毎度のこの恒例行事に不服を伝えると
コロンっと横に寝そべってきて
俺の頬に そっと触れて目を見つめたまま
酷く嬉しそうに にっこりと笑った。