第2章 君色に染まらせて
>>>智side
翔くんに荷物の受け取りをお願いされて、俺は午前中から翔くんちにお邪魔していた。12時から15時頃に届く予定の荷物は翔くんにとって何やらとても重要なものらしい。
1週間の間、荷物の話題をちょくちょくしてくるし、翔くんの瞳が楽しそうにキラキラしてるから。何年も一緒に居るんだもん。そのくらい分かるよ。
宅配を待つ間俺は翔くんの家で絵の続きを描く事にした。待ってる間暇だろうと思った翔くんが家で絵を描いていいと言ってくれたのだ。
広すぎて持て余してるから好きに使っていいよって言われたけど、流石に悪いなと思ったのでリビングの隅っこに新聞紙を敷いて壁にキャンパスを立てかけた。
四角いキャンバスは濃淡の違う桃色の花で少しずつ染められていく。
翔くん、今頃ドラマの撮影かなぁ。昨日一生懸命覚えてたから上手くできるといいな…。
いつの間にか翔くんの事を考えてる事が増えた。翔くんが、メンバーの話もしてくれるから皆んなの事も思い出して、沢山の記憶が鮮明に蘇ってくる。そのどれもがキラキラ輝いて楽しかったものばかりで。ふふ、俺やっぱり嵐が大好きなんだなぁ。
暖かい陽だまりの中荷物が届くまで夢中になって絵を描いた。